photo: Satoshi Nagano

世界初?! 飛び出す立体壁新聞『ふくちから』発行!

2017/03/15

今日は設計チームより、編集事務所・MUESUMを主宰する多田智美がお届けします。これまで大西さんによって綴られてきた夏合宿での中学生たちの自発的な活動は、私たちは設計する上で大切にしたいこととして掲げてきた「自分たちのまちを、自分たちでつくる」そのものでした。私からは、福智町の中学生たちがつくったグループ「ふくちトライアングル」、通称「ふくトラ」のメンバーと一緒につくった壁新聞『ふくちから』についてご紹介したいと思います。

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壁新聞『ふくちから vol.1』

夏合宿の終盤、ふくトラメンバーから「せっかくこの場所が生まれるのだから、もっとたくさんの人たちに知ってもらいたい!」「中学校の仲間たちにも知ってもらいたい!」という声が出てきました。より多くの人たちに届けるための手段として彼らが考えたのは、3つの中学校に設計チームを招き、出張説明会を企画するアイデア、もうひとつは何か新聞のような紙媒体をつくるというアイデアでした。私たち設計チームは建築家を中心に、デザイナー、編集者がタッグを組んでいるので、紙媒体のメディアをつくることは得意です。「よっしゃ、壁新聞つくってみようか!」ということで、編集会議をスタートしました。(またありがたいことに後日、彼らが中心となって学校にはたらきかけてくれて、中学校での出張説明会の開催も実現しました!)

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編集会議で印象的だったのは、一番伝えたいことを整理するなかで出てきた「ここは図書館・歴史資料館だけど、きっと図書館・歴史資料館がじゃない何かが生まれようとしている!」という言葉。これまで“図書館”“歴史資料館”と聞いて、みんながイメージする場所とは違うんだということが伝えたいと話してくれました。「そしたら、壁新聞自体も見たことのないようなものにしたら、みんなを驚かせることができるんちゃう? 模型がくっついていたらおもしろくない?」というデザイナーのUMA/design farm原田さんからの提案で、ふくトラメンバーも大興奮。早速交渉に入りました。「大西さん、僕たち飛び出す立体壁新聞をつくりたいので、模型をつくってもらえませんか?」

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八尋太嗣くんを編集長に据え、私たちが伴走しながら、編集方針やメディア名、コンテンツを考えるところから、取材、撮影、執筆、レイアウトラフの作成など編集作業のすべてを、ふくトラメンバーが中心となって制作を行い、一人ひとりの想いがずっしり詰まった新聞が完成しました。

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また『ふくちから』という素敵な名前の名づけ親は、当時金田中学校3年生の倉石くんです。この名前には、3つの想いが込められていました。1)福智町から田川、筑豊、日本をより良くしていこう!、2)福智町のちからを結集してこの図書館・歴史資料館をつくっていこう!、3)頑張る人たちの背中を押せるような風(ふぅ〜と吹く)が起こる場所にしよう!の3つです。みんなの想いが詰まった立体壁新聞は、合計4つ完成し、ふくちのちが生まれる旧赤池支所、赤池・方城・金田の3つの中学校に設置され、さらにより多くの人に届けるべく、ポスターも印刷し、町中に掲示され、「ふくちのち」ができるまでを届けていきました。

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多田智美[編集者/MUESUM]
1980年生まれ。龍谷大学文学部哲学科教育学専攻卒業後、彩都IMI大学院スクール修了。“出来事の創出からアーカイブまで”をテーマに、書籍やタブロイド、WEB、展覧会やイベント、プロジェクトなどの企画・編集を手がける。DESIGNEAST共同ディレクター。京都造形芸術大学非常勤講師。ウルトラファクトリーBYEDITディレクター。

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