読破!

2016/08/11

宮部みゆき『ソロモンの偽証』、あえて手をつけていませんでした。
原稿用紙4,700枚の超大作。こんなに長いと「読了」より「読破」の方がしっくりきます。何度も図書館で借りてみて、開く前に返却し……を繰り返した末、ついに読みました~。映画でご覧になった方々もおられるだろうし、「平成24年に出た本なんて、もう読んだわ」という方もおられると思います。みなさんはどう、お感じになられましたか? 誰に感情移入しましたか?

私は自分が小学生、中学生だった頃を思い出しながら読みました。そして自分のトラウマと対峙した気がします。そしてこの作品の中では、「ムカつく」という言葉がたくさん出てきます。きっとその「ムカつく」という言葉には、何通りもの気持ちが隠れているんだろうと思いました。自分の気持ちを表現し、他者に伝えることができれば、世の中のストレスは軽減されると言われているそうです。

「ムカつく」に限らず「ヤバイ」とか「可愛い」とか、少ない言葉で表現することが多くなっていませんか? スタンプを送るだけで相手が自分の気持ちを理解しているつもりになっていませんか? 適切な言葉で気持ちを伝えるのは、難しいことです。そこの大切さをこの本は私に教えてくれました。

……まぁミステリーなんですけど(笑)。

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作・宮部みゆき『ソロモンの偽証 第I部 事件』『ソロモンの偽証 第II部 決意』『ソロモンの偽証 第III部 法廷』新潮社(2012年)

館長写真

鳥越美奈
福岡県北九州市出身。1988年から北九州市の複数の公共図書館に勤務。2008年に公共図書館の運営を担う図書館流通センターの社員として、北九州市立八幡西図書館の初代館長、中間市立中間市民図書館の館長を務めた。2015年5月より福智町立図書館館長・歴史資料館館長。

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