「紙芝居」って、どんなもの? その1

2016/07/26

「ふくちのち」の紙芝居づくり開始!!

2017年春に開館する図書館・歴史資料館「ふくちのち」。実は今、ふくちのちのオリジナル紙芝居を作るプロジェクトが進行しています。紙芝居開発チームのメンバーは、「ふくちのち」のキャプテン・鳥越館長、図書館司書、そして「ふくちのち」の設計にも携わっているものづくりのプロ、編集事務所MUESUM、デザイン事務所UMA/design farmのスタッフ、そして……???
※最後のメンバーはまだ秘密です。この文章を最後まで読むとわかります。

さて、どうして紙芝居をつくることになったのか、その経緯をまずお話ししたいと思います。私たちは、「ふくちのち」を「自分たちの町は自分たちでつくる」という考えのもとでつくっています。そして、その気持ちを町のすべての人と分かち合いたい、分かち続けていきたいと思っています。

では、それを実現するためには、どうすればよいのでしょう? どういう方法をとればよいのでしょうか? あれがよい、これがよいと、チームでたくさん議論をしました。そして、話し合いの末に出てきたのが、「紙芝居」でした。

IMG_2986_t

なぜ、紙芝居が選ばれたのか。
まず、紙芝居は、世代を超えます。
赤ちゃんからシニア世代まで、観客の世代を選びません。

また、紙芝居は、時代を超えます。
紙芝居の起源は、江戸時代。そんな古くから人々の心をつかみ、現代に生き残っています。
今でも、図書館や幼稚園など様々な場所で人々に愛されていますよね。

そして、紙芝居は手軽です。
特別な技術も舞台も必要ありません。紙芝居、そして読み手と観客でなりたちます。
どこでも紙芝居を楽しむことができます。

この3つの特徴から、私たちは紙芝居を選びました。

私たちは、紙芝居で「自分たちの町は自分たちでつくる」という物語を表現します。紙芝居の手軽さにより、誰もが読み手にも、観客にもなれ、紙芝居の伝え手になれます。町の赤ちゃんからシニア世代まで、すべての人と紙芝居を通してこの物語を分かち合い、また、今だけではなく未来の町の人にも紙芝居の形で物語を伝え、分かち合っていきます。

今、私たちは、その紙芝居の要となる大事な物語を練っています。近いうちに、みなさんにご披露する日がきます。そこでお見せする紙芝居は、始まりの紙芝居、いうなれば紙芝居の赤ちゃんです。「自分たちの町は自分たちでつくる」という考えのもとで生まれた紙芝居ですから、開発チームの手を離れ、みなさんの手に届いたときから、つくられていくものだと思います。絵が変わったり、ストーリーが変わったり、読み方が変わったり……と。どんな「おとな」になるのでしょうか。出来上がってもないのに、とても楽しみです(笑)。

というわけで、最初に開発チームには最後の秘密のメンバーがいるといいましたが、もうおわかりですね。私たちは、みなでつくる紙芝居、町を目指していきます。次のご報告をお楽しみに!!

そうなんだ!? 紙芝居歴史

「紙芝居」の源流は、江戸時代にありました。箱にあけた穴にレンズをはめ込み、そこから中の絵をのぞく仕組みの見世物「のぞきからくり」や、木製の小箱に油ランプを入れ、種板に光をあてることで和紙のスクリーンに絵を映し出す「写し絵」などがそうです。この2つは「絵を見せながら語る」という点で紙芝居と共通しています。

明治に入ると、竹の串に紙人形をつけ、舞台で動かす紙人形劇「立ち絵」が紙芝居と呼ばれていましたが、次第に消えていきました。そして昭和初期になると、現在の紙芝居と同じ、紙に描いた絵を1枚1枚めくっていく、絵物語形式の「平絵」が登場し、「紙芝居」と呼ばれるようになります。昭和25年頃には全盛期を迎え、東京で約3,000人、全国では約50,000人(!)の紙芝居業者がいたといわれており、日本の広い地域で親しまれていました。

人々が娯楽として紙芝居を楽しむ一方で、紙芝居を教育に活用しようとする動きが昭和初期にあらわれます。その先駆者とされるのが、キリスト教徒であった今井よね(1897-1968年)です。今井は布教活動に紙芝居を用いていましたが、その後、その活動に影響を受けた高橋五山によって教育に取り入れられました。昭和8年には保育園や幼稚園の多くで紙芝居を使った教育が行われるようになります。

しかし、昭和30年代のテレビの普及によって、街角からは紙芝居が消えていきました。紙芝居は現在、幼稚園・保育園、図書館などで利用され、外国では「KAMISHIBAI」と呼ばれるなど、多くの人々を魅了しています。

参考文献:
名古屋柳城短期大学幼児教育研究所「デヂタル紙芝居ネット」
京都国際マンガミュージアム

【その2へつづく】

阿部直子
福岡県宗像市出身。福岡県内の複数の公立図書館に勤務。さまざまな児童向けイベントの企画や展示などを手がけ、多くの親子に人気を博す。2016年4月より福智町図書館・歴史資料館の主任司書として勤務。

一覧に戻る