ふくちまちおいしい探訪 〜小西みそ編 その1〜

2016/03/31

朝ごはんといえば、みなさんは何を思い浮かべますか?

トーストに目玉焼き? ヨーグルトにグラノーラ? それとも納豆に白ご飯とあつあつのお味噌汁?? 最近ではグリーンスムージーを飲むだけなんて人も。想像しただけで明日の朝が待ち遠しいですね、ああ、お腹が空いてきちゃいました……。

僕たちの暮らす日本はあらゆる国の食事がいつでも楽しめる世界一の飽食の国ですが、いまなお色あせず食卓の真ん中で存在感を放ち続けている発酵食品の王様「お味噌」について少し掘り下げていきたいと思います。ここ数年は稀に見る発酵ブームもあって、お味噌にも新たに注目が集まっていますが、お味噌といっても地域が変われば素材や色に調理方法も多種多様ですね。ちなみにお味噌は「麹」「味」「色」によって分類されるそうです。なんとその数は1,000種類を超えるとか!?

僕は日本全国の生産地を巡り、その土地の食材の新たな魅力を見つけて発信する“料理開拓人”を名乗り生業にしています。仕事でいろんな地域を旅するなかで、味噌には地域性や食文化が色濃く反映されていることも強く感じてきました。今回訪れたのは九州の北部に位置する福岡県田川郡福智町。北九州の土壌が育んだお味噌にどんな秘話が眠っているのでしょうか、まだ見ぬ出会いと発見に心躍らせて、いざ出発です!

九州の味噌といえば「麦麹」を使って作る少し甘口の「麦味噌」が有名ですね。僕の生まれ育った関西地方ではほとんど口にする機会はありませんでした。初めて口にしたのは20代半ばに訪れた瀬戸内の島だったと記憶しています。味噌の色や味の決め手は原料の大豆などに含まれるアミノ酸と糖が茶褐色に変化する「メイラード反応」によって絶妙なバランスでつくり出されています。まさに旨味の中枢といったところでしょう。その地域で育まれた原材料と酵母、そして風土気候が大きく影響するのです。

さて、発酵の話は少し置いておいて今回訪ねた「小西みそ」さんですが、笑顔が素敵な3人の看板娘が僕たちを元気いっぱい迎えてくれました。お話を伺っていくとお店は江戸時代に創業されたあと、大正10年に現在の金田で小西こうじ店として開業されたというのがはじまりだそうです。昔ながらの製法で防腐剤・添加物を使用せずに、原材料には福岡県産の米・麦を使用したこだわりの純天然「小西みそ」は地元で愛されています。

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僕はこの旅にお土産を持参してきました。自店のベーカリー「foodscape!」で作ってきた味噌を生地に練りこんだ味噌パンです。小西みそのみなさんも覗き込んで興味深々。お礼に麦味味噌を頂きました。お味噌は日本全国どこでも食べられていますが自分の住んでいる地域のもの以外はほとんど買わない食品なんだそうです。すっかり看板娘の虜になってしまった僕は〝物々交換〟ならぬ〝味噌味噌交換〟を経て福智町の麦味噌でパンを開発しようと直感で決めてしまったのでした。

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次回、こだわりの味噌が福智町を飛び出し、大阪のベーカリーの人気メニューへと生まれ変わる!

堀田裕介
1977年大阪千里ニュータウン生まれ。ブロイラーのようなケージ式団地で育ち美味しんぼの山岡のような暮らしに憧れて料理開拓人へと開化。現在では大空を羽ばたく渡り鳥のように日本各地の産地と都会を行き来する一方、大阪のトレンド発信地福島にて人気ベーカリーfoodscape!を主宰。2016/4/1に中之島図書館内に北欧料理のお店スモーブローキッチンがオープン! http://smorrebrod-kitchen.com http://food-scape.com/

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