金田のガードレールを極力直そう その4

2016/11/01

前回はボルトのネジ部のモデリングを行いました。今回はナットとワッシャーのモデリングを進めていきます。と、その前に……。

ボルトの角根をモデリングする

前回までにモデリングしたボルトを眺めていると、漠然とした疑問が湧き上がります。どうやってボルトを締めるのか、という疑問です。私たちが普段使用しているボルトやネジの多くは、頭にプラス(+)やマイナス(−)といった形状の溝が切ってあり、そこにねじ回しを差し込み、回すことでネジを締めることができます。しかし、このボルトには、そうした溝のたぐいが存在しません。一体どのようにしてしっかりと固定するのでしょうか……。そのヒントは、ガードレールに開いたボルトのための穴(下穴)にあります。

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ただボルトを差し込むだけなら、その形状は正円で良いはずです。しかし、この下穴はなぜか縦に細長くなっています。……そう、実はこの下穴は回り止めの役割を果たしているのです。ボルトを裏から見た図で説明します。

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このようにボルトの頭とネジ部の間に、この下穴の形状にフィットする部分があれば、あとはレンチでナットを締めることで、固定できるのです。これを「角根」と呼びます。この角根を今回のボルトにも取り付けましょう。角根はもはや下穴の形状をもとに想像するしかないので、うまく機能するような形状を考えます。

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こんな感じでいいでしょう。四隅を落としているのは、下穴が上下に近づくにつれて、少し狭まっているからです。さっそくこの底面を描きます。

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これをプッシュ/プルツールで3mmほど持ち上げます。ガードレールの厚み(4mm)よりも薄ければ大丈夫です。

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これをボルトの頭の下に移動させます。

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これで今度こそ完成です。

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ナットをモデリングする

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次に、これをプッシュ/プルツールで13.3mm持ち上げます。

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ここに前回モデリングしたネジを置きます。

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このままこの六角柱からネジを型抜きしたいところですが、このままだとネジ部とナットがぴったり過ぎて締めることも緩めることもできません。そこで多少のゆとりをつくります。ナットとして使えればいいので、とりあえずネジを青軸を基準に10%大きくします。この時、高さは変えません。

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そして、六角柱からネジを型抜きします。「ソリッドツール」から「減算」を選択した後、2つのオブジェクトを選択します。ちなみに、この「ソリッドツール」という機能はSketchUpのPro版とその評価版にしか搭載されていないので、お金が無い人は評価版をダウンロードしてから8時間以内にこの作業を終えてください。SketchUpのPro版は、もち吉の「福福かんかん」で換算すると、40缶分くらいです。結構高いですね。

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もし、オブジェクトに細かい穴が空いてしまった場合は、前回触れたSketchUpのバグですので、サイズを10倍にしたのち、減算をしてください。大丈夫そうであれば、採寸結果をもとにナットの角を落とします。線ツールで落とす部分の輪郭を引いて、消去すれば大丈夫です。

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これでナットの完成です。

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ワッシャーをモデリングする

ここまでボルト、ナットをモデリングしてきた自分にとっては、ワッシャーのような単純な形状の物体のモデリングはもはや秒殺です。まず、採寸結果に基いて直径39.6mmの円を描きます。

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次に、その内部に直径19mmの円を描き、内側を抜きます。ワッシャーの内径は採寸できないので、実際にはネジの直径よりもちょっと大きいくらいであれば、なんでも良いです。

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残った部分を選択し、プッシュ/プルツールで3mm持ち上げます。

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できました。簡単ですね。

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これで今回は終了です。次回は、ここまでにモデリングしたボルト、ナット、ワッシャーを3Dプリンターで出力し、いよいよガードレールに取り付けます。ご期待ください。

(撮影協力:山岡大地)

【その5へつづく】

渡邉朋也
1984年生まれ。東京都出身、山口県在住。コンピューターとインターネットを使った調べものをベースに、ものづくりやイベント、エッセイ、ダジャレなどを手がけている。好きな食べものはカレー。ちなみに伯父と従兄弟は福岡県北九州市在住。http://www.watanabetomoya.com/

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